私たちの生活の中で、いまだに後を絶たない「詐欺電話」。オレオレ詐欺、還付金詐欺、架空請求、国際電話詐欺など、その手口は年々巧妙になり、被害者の年齢層も高齢者に限らず、若年層や中年層にも広がっています。
しかし、いくら注意喚起しても、「電話番号が表示されるから安心」「非通知じゃないから大丈夫」と信じてしまい、詐欺に巻き込まれるケースは後を絶ちません。
では、どうすればこの問題を根本からなくすことができるのでしょうか?
答えは意外にもシンプルです。「電話の仕組みそのものを見直すこと」です。
表示される「電話番号」だけでは足りない
現在、私たちのスマートフォンや固定電話には、着信時に「電話番号」が表示されます。
この番号は多くの場合、発信者の番号そのものですが、実は簡単に偽装することも可能です。これは「番号のスプーフィング(なりすまし)」と呼ばれる技術で、詐欺グループが自分たちの番号を別の信用できそうな番号に偽装して発信する手口です。
このため、たとえ表示された番号が実在する病院や市役所、金融機関のものであっても、それだけで信用してはいけません。電話番号だけでは、発信者の正体は分からないのです。
電話契約者名を表示させる仕様に
一つの解決策として、「発信者の電話契約者名」を着信時に表示させる仕組みが必要です。
たとえば、携帯電話で誰かから電話がかかってきたとき、番号だけでなく、
080-XXXX-YYYY
【NTTドコモ契約】佐藤 太郎(個人)
と表示されれば、明らかに怪しい番号や、名前と内容が一致しない電話を受け取らずに済む可能性が高まります。
また、企業が発信する場合も、
0120-XX-XXXX
【KDDI契約】○○カード株式会社 お客様サポートセンター
と表示されれば、受け手側は安心して通話に出ることができます。
このように、発信元の電話契約情報を紐づけて表示する仕組みは、詐欺電話を防ぐ上で非常に効果的です。
当然、プライバシーの観点から「氏名非公開のまま登録しているユーザー」もいるでしょう。そういった人には、
03-XXXX-YYYY
【NTT東日本契約】個人契約(東京都)
といった最低限の情報でも構いません。非通知よりは遥かに安心ですし、警戒心を持って対応できます。
海外番号には「発信国」表示を義務化せよ
次に問題になるのは、海外からかかってくる詐欺電話です。これらは主に国際電話番号で表示され、見慣れない「+44」や「+63」などの番号がかかってくる場合があります。
現在の仕様では、多くのスマートフォンで「+国番号」だけが表示される場合が多く、国名まで明示されないこともあります。しかし、国際詐欺電話の多くは、英語圏のサポートセンターを装って不安を煽ったり、Amazonやマイクロソフトを名乗る偽カスタマーサポートだったりします。
そこで、これらの番号にも以下のような発信国情報の表示が必要です。
+63 912-XXX-XXXX
【フィリピン発信・携帯電話】
あるいは
+1 202-XXX-XXXX
【アメリカ合衆国・固定回線】
といったように、少なくとも発信元の国・通信種別(携帯・固定など)が分かるだけでも、警戒心を高めることができます。
日本語しか話さない高齢者が、「+63 フィリピン」からの電話に出る理由はありませんし、「これは怪しい」と判断して即切断するだけで、被害を未然に防げるのです。
技術的には可能、それでも導入されない現実
「契約者名の表示」や「発信国の表示」は、技術的にはすでに可能です。
たとえば、法人向けの電話サービスでは、発信元の名前を設定して表示できる機能があり、顧客サービス用途で使われています。また、VoIP(インターネット電話)ではSIPヘッダ情報に表示名を含めることができます。
さらに、SMS(ショートメッセージ)では発信元の企業名が表示されることも多く、同様の仕組みを音声通話にも導入すればよいだけなのです。
それでも導入が進まないのは、以下のような理由が考えられます。
- 法制度の整備が追いついていない
- 通信キャリア間の連携が不十分
- コストやシステムの改修負担を理由に後回し
- 「表示しない自由」やプライバシーに配慮しすぎて前に進めない
しかし、詐欺による被害額は年々増加し、社会的損失も大きくなっています。「誰かが泣き寝入りすれば済む問題」では済まされない段階に来ているのです。
行政・通信事業者・OSベンダーが連携すべき時
この問題の解決には、行政、通信事業者、端末メーカー(OSベンダー)の三者が連携する必要があります。
- 総務省や警察庁が「発信者情報表示の義務化」などのルール作りを主導
- NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなどが、契約者情報の開示オプションを設ける
- Apple(iOS)やGoogle(Android)が、着信画面に契約者名や発信国を表示する仕様を実装
これらを段階的に整備していくことで、詐欺電話は着実に減少していくはずです。
最終的には「電話そのものの信用性」向上がカギ
メールやSNSでは、「なりすまし」や「迷惑メッセージ」が大量に届くことはあっても、本文やアカウント情報で怪しいと気づけるチャンスがあります。
しかし、電話では「声」で直接騙されるため、冷静な判断が難しくなります。
だからこそ、電話そのものがもっと信用できるインフラにならなければいけないのです。
「この電話は誰がかけてきたのか」が明示されるだけで、心理的にも社会的にも、詐欺の余地は大きく減っていくでしょう。
まとめ
詐欺電話をなくすためには、個人の注意だけでなく、「電話そのものの仕組み」を見直す必要があります。
- 電話番号だけでなく、契約者情報(氏名・法人名)を表示する仕様に変更する
- 国際電話には、発信国・種別を明示することを義務化する
- 行政・通信キャリア・端末メーカーが連携して、仕様整備と義務化を進める
これらを実現すれば、詐欺電話は単なる「迷惑」ではなく、「明確な違法行為」として社会から駆逐されていくはずです。
今こそ、誰もが安心して電話を受けられる社会に変えていく時ではないでしょうか。
なのなの
元取締役、元音楽家、元SE、元レトルトカレー評論家、元ゲーム音楽家(SM調教師瞳シリーズなど)
現在は日本の鉄道事故専任ライターをしているなの
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