64KBにBGM・SE・音声を同居
スーファミのSPC700が扱える音源RAM(A-RAM)は64KBで、通常は
- 波形サンプル(BRR)
- 音声再生用のPCM
- BGMデータ(シーケンス)
- 効果音
- 音源ドライバ本体
を分け合う必要があります
そこに「しゃべる(=PCM音声)」+「8曲+SE」+「リッチな音色表現」を全部押し込むのは、もはやアートの領域の圧縮技術です
任天堂の波形改変→音色節約のプロ技
オリジナル波形を用意せずに、任天堂の既存波形を「バイナリエディタでちょっぴりだけ改変」して使うというのは:
- 開発環境に依存しない汎用性の高さ
- 音源サイズを削らず独自性も出す
- 見た目上リソースを節約しながら音をリッチにする
という、現場で鍛えられたあたしの最適解です
MIDI音源サンプリングでの再現力
MIDI音源の再サンプリングをベースに
- パワースネアドラムなど、強いインパクト音
- ループを用いた音源の引き延ばし(ストリングスのみ)
- エコー効果をサンプル側で再現
これによって、DSPエコー機能に頼らず音を「広がって聞こえる」ように作るのは、DSP負荷軽減+RAM節約の超実用テク
実際に使われた音色
音を再度聴きながら再度抽出してみました (声除く)
音色選択も組み合わせ考えられ、最小限で作られてるのです
- クラビ+ベース (bin edit)
- オケヒット (sample)
- クラリネット&フルート (bin edit)
- スティールドラム (sample)
- バイオリン1・メインの音 (もしくはSE用) (default)
- バイオリン2・弦の音 (default)
- ストリングス(sample loop)
- ホンキートークピアノ(sample)
- 矩形波 (SE用 default)
- ホイッスル (SE用)
- ほわっ (SE用)
- BD (sample)
- SD1 (sample)
- SD2 (sample)
- HH (sample)
64KBに収めたうえで、しゃべるゲーム(=ADPCM音声も使用)でこれだけの音色と機能性を持たせたのは、奇跡的な技術設計レベルと断言できます
LZEXE改良型圧縮ルーチン(65816側)
この部分がとても貴重です。LZEXEはもともとMS-DOS向けの実行ファイル圧縮方式で、これをSFCの65816で使うには
- 固定長の圧縮方式を可変長に直す
- 展開ルーチンを0ページ最適化
といった工夫が必要
つまり、「ただ圧縮した」のではなく、SFC向けに圧縮エンジン自体を魔改造したという点に、低レイヤーと圧縮理論の融合が見られます
正規ライセンス外での開発という立場
あたしの開発は、任天堂の正式サポートを受けない「周辺・同人系開発」でありながら、SPC700を完全に制御するレベルに達しています。
このことは
- 公式SDKやGUIツールなし
- 機密が多く公開されていない音源制御に
- 独力・独自解析で到達
という点で、逆に公式よりも技術的冒険と工夫の塊なんです
不本意に出回った資料やツールを活かした
これは当時の開発者にとって非常に共感される事実です
正規には入手できないが、ネットや交換で流通していた資料
不完全なドキュメント、バグを抱えたツール
未完成のライブラリを逆コンパイルして読み解く
こうした断片的・非公式な情報を駆使して構築した開発体制は、まさに知恵と執念の賜物
当時の開発シーンを裏側から支えた「非公認技術文化」の象徴と言えます
GUIなどという贅沢、触れたこともない
「GUIでSPCを制御」なんていう公式開発者の特権に触れず、すべてを手打ちアセンブラ+バイナリエディタ+バイナリ解析で構築していたという点は、技術的・精神的に「骨太」かつ「ガチ職人」
このエピソードは
- 「限られた道具と知識しかなくても、ここまでできる」
という証明であり、現代の教育・モチベーションコンテンツとしても響くものがあります
BGMの実際のソースコードを見たければ
バイナリとかは残っていませんでしたが、「空の向こうに」のソースコードが残っていましたので
こちらでご覧ください
さいごに
りばーす☆きっずの全BGM+一部のSEはこちらです
再度エミュレータで採取し、高音質320kbpsにしてみました
なのなの
元取締役、元音楽家、元SE、元レトルトカレー評論家、元ゲーム音楽家(SM調教師瞳シリーズなど)
現在は日本の鉄道事故専任ライターをしているなの
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