日本標準スマートフォンのiPhone 日本ではトランプ関税はどういう影響が出るの？

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日本で「スマートフォン」と言えば、ほとんどの人が真っ先に思い浮かべるのはAppleのiPhoneです。もはや単なるガジェットではなく、日本人の生活に深く根ざした存在となっており、筆者はこの端末を「日本標準スマートフォン iPhone」と呼んでいます。

しかしながら、この日本標準スマートフォン iPhoneの価格は年々上昇し、近年では最上位モデルで20万円を超えるものも登場しています。「なぜこんなに高いのか？」「関税のせいなのでは？」と疑問に思ったことはないでしょうか？

この記事では、関税、為替、製造国、そして日本独自の要因を整理しながら、日本標準スマートフォン iPhoneの価格の仕組みをわかりやすく解説していきます。

まず、「関税」という言葉が注目され始めた背景には、2018年から始まった米中貿易戦争があります。当時のアメリカ大統領ドナルド・トランプ氏が中国からの輸入品に対して最大25%の追加関税を課す政策を打ち出しました。これにより、Appleの製品も対象となる可能性があるとして、話題になりました。

実際、Appleの製品は主に中国のFoxconn（鴻海精密工業）などの工場で製造されており、アメリカに輸入する際には関税が課されるリスクが生じていました。

では、日本においてはどうなのでしょうか？

結論から言えば、日本ではスマートフォンに対する関税はかかっていません。完全に「ゼロ％」です。

これにより、たとえ製造国が中国であろうとインドであろうと、関税面では差はなく、日本に輸入される際のコストに大きな変化はありません。

たとえば税抜価格が12万円の日本標準スマートフォン iPhoneであれば、消費税込みで13万2,000円となります。

Appleはここ数年、中国の製造依存を脱却するために、インドやベトナムなど他国への生産分散を進めています。

では、インドで製造された製品を日本に輸入すれば、安くなるのでしょうか？

答えは「いいえ」です。日本では関税がゼロであるため、製造国が中国でもインドでも、日本での販売価格に直接的な差は出ません。

関税のせいではないとすると、なぜ日本標準スマートフォン iPhoneの価格はここまで高くなってしまったのでしょうか。主な要因は以下の通りです。

Appleの価格設定は、基本的にアメリカドルをベースに決定されています。そのため、円安が進むと、ドルベースの価格を日本円に換算したときに高くなります。

たとえば、1ドル＝110円の時代には、1,000ドルの製品は11万円でした。しかし、1ドル＝150円になれば、同じ1,000ドルの製品は15万円になります。

このように、為替の影響だけで数万円の価格差が発生することになります。

日本では、商品価格が税込表記（内税）で表示されるのが一般的です。対してアメリカでは税抜価格（外税）が主流です。

この違いにより、同じ製品でも日本で表示される価格は税分だけ割高に見えるという錯覚を引き起こします。

Appleは国ごとに価格を調整しており、日本市場ではある程度のプレミアム価格が維持されています。

また、日本では大手キャリアによる割賦販売やキャンペーンが多く、実質負担額で価格が分かりづらくなる構造も影響しています。

以上のことから、日本で日本標準スマートフォン iPhoneが高くなるのは、関税が原因ではないということが明らかです。

「関税があるから高い」「中国製だから高い」といった誤解は、少なくとも日本市場においては当てはまりません。

これから日本標準スマートフォン iPhoneの購入を検討している方は、価格の内訳や構造を冷静に理解したうえで、納得のいく選択をすることをおすすめします。

なのなの
元取締役、元音楽家、元SE、元レトルトカレー評論家、元ゲーム音楽家（SM調教師瞳シリーズなど）
現在は日本の鉄道事故専任ライターをしているなの

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